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JOURNAL / 世界の食トレンド

低糖、無添加、グルメ化、環境配慮。キャンディ好きのイタリア人が求めるこれからの飴

Italy [Calabria]

2026.10.29

低糖、無添加、グルメ化、環境配慮。キャンディ好きのイタリア人が求めるこれからの飴

text by Mika Hisatani
イタリアのキャンディ市場について、イタリア食品連合の菓子部門会長パオロ・カゾーニ氏は、単に甘さやおいしさを楽しむだけではなく、味覚と健康を両立する商品が増えていくと述べている。

イタリア食品連合(Unione Italiana Food)の調査では、イタリアでは95%の人が定期的にキャンディを食べているという。なかでも人気が高いのが柑橘系で、44%ともっとも多い。続いて、刺激の強いハーブやメントール系が39%、リコリスが36%となっている。昔から親しまれてきた味が、今も定番として支持されている。

最近、特に注目されているのが、砂糖や添加物の削減だ。同調査によると、100%の企業が今後の商品開発における重要なテーマとして挙げている。植物由来の原料についても、83%の企業が導入を予定している。ターメリックやビートルート、ブラックキャロットなど、天然素材を使った着色料への関心も高まっているという。

さらに、ビタミンや食物繊維、プロバイオティクス(腸内環境を整える働きをもつ微生物)などを加え、キャンディを「ちょっとした楽しみ」にとどまらず、ウェルビーイングにもつながる食品として提案する動きも見られる。

味へのこだわりも健在だ。今後の市場で成功するには、67%の企業がフレーバーの刷新が重要だと考えており、上質な素材を使ったグルメ・プレミアム商品にも注目が集まっている。カラブリア産リコリス、ピエモンテ産ヘーゼルナッツ、シチリア産柑橘など、イタリア各地の伝統的な素材を生かした商品もその代表だ。産地ならではの個性が、商品の魅力となっている。カラブリア州の老舗キャンディメーカー「シラグム(SILAGUM)」では、カラブリア産ベルガモットやクレメンティーノIGP(保護地理表示認定)、カラブリア産リコリスDOP(保護原産地呼称認定)を使用したフレーバーの売れ行きが好調だという。

同社の営業責任者、クラウディオ・アクオイーノ氏は次のように語る。
「わが社のキャンディは着色料を使用していないため、まず色が薄いことが大きな特徴です。もともとキャンディは、生産コストが低く、安価でポピュラーなお菓子でした。しかし今では、健康志向の高まりを背景に、イタリア国内だけでなくヨーロッパからの需要も増えています。今後は、グルメ・プレミアム商品をさらに増産する予定です」

シラグム社のカラブリア産ベルガモットIGPのゼリーキャンディ。グルテンフリー。
シラグム社のカラブリア産ベルガモットIGPのゼリーキャンディ。グルテンフリー。
ゼリーキャンディの紙製パッケージ
ゼリーキャンディの紙製パッケージ。写真左はカラブリア産リコリスDOP、右はカラブリア産ベルガモットとクレメンティ―ノIGPのゼリーキャンディ2種が入っている。共にグルテンフリー。各3.8ユーロ/200g。

パッケージもプラスチックから紙製へと切り替え、環境面にも配慮している。

砂糖を減らす。植物由来の素材を取り入れ、添加物を減らす。新しい味に挑戦する。そして、環境にも配慮する。イタリアのキャンディ市場は今、様々な方向から変化している。とはいえ、昔から愛されてきた味がなくなるわけではない。伝統を受け継ぎながら、そこに新しい価値を加えていく。そのバランスこそが、これからの市場を左右する鍵となりそうだ。


*1ユーロ=178円(2026年10月時点)

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