猛暑でビール大国の夏のドリンクに異変。ほろ苦カクテルが若い世代で人気に
Germany [Berlin]
2026.09.25
text & photographs by Hideko Kawachi
独立系蒸留所と飲食関係者が集うコミュニティ「フライマイスターコレクティブ」が開発中の「ビター・アペリティフ」。ソーダで割るとほろ苦く、爽やかなドリンクに。甘味を抑え、より苦味を前面に出した方がよいというアンケート結果を受け、再びレシピ開発が始まる。
ドイツの夏は湿度が低く、日陰に入れば涼しく過ごしやすいというイメージがあるかもしれない。しかし近年、そうとも言えなくなってきた。以前は30℃を超える日は年に4〜5日だったが、2026年は50日近く。場所によっては40℃を超える日もあった。この暑さの影響もあってか、ビール大国ドイツの夏のドリンク事情にも変化が見られるようだ。
近年、若い世代を中心に人気を集めているのが「シュプリッツ(Spritz)」。リキュールをスパークリングワインや白ワイン、炭酸水などで割ったカクテルだ。中でも有名なのは、ほろ苦いハーブリキュールを使った「アペロール・シュプリッツ」。20年ほど前から定番だったものの、エルダーフラワー・シロップ、ミント、プロセッコを使った「ヒューゴ(Hugo)」や、「カイピリーニャ」「ジントニック」など、次々と新たなトレンドが登場し、以前ほどの存在感はなくなっていた。
今夏行われたYouGovの世論調査によれば、アペロール・シュプリッツを「好き」と答えた18歳以上のドイツ人は34%にとどまった。一方で、若い世代ほど支持率は高く、18歳から34歳では4割以上が好んで飲むと回答。特に暑い時においしいと感じる人が多いという*。
オープンエアのカフェバーやルーフトップテラスでは、カンパリやリモンチェッロを使ったシュプリッツの他、鮮やかな緑色のパンダンリーフリキュール「パンドン22」を使った「パンダン・シュプリッツ」などもメニューに並ぶ。アペリティフワイン「リレ ブラン(Lillet Blanc)」に、炭酸飲料「シュウェップス」のワイルドベリー味を加えた「リレット・ワイルドベリー」も好評だ。
シュワッと爽快な炭酸に、フルーティな甘さとほろ苦さが絶妙のバランス。鮮やかな色合いで写真映えもする。アペリティフカクテルは、アルコール度数が8%ほどと決して低くはないが、ビールよりも口当たりが軽く感じられるのも人気の理由だ。
ベルリンの独立系マイクロ蒸留所と飲食関係者らが参加するネットワーク「フライマイスターコレクティブ(FREIMEISTERKOLLEKTIV)」では、「ビター・アペリティフをみんなで開発しよう!」というプロジェクトをスタート。試作したリキュールを希望者に送り、シュプリッツなどのカクテルに合うかどうかを尋ねるアンケートを実施、結果を反映した商品を作り出すという。
ビール大国の夏は、ほのかな苦味があるアペリティフカクテルが制するようになるのかもしれない。
◎FREIMEISTERKOLLEKTIV
https://freimeisterkollektiv.de/
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