ロンドンの食の新たなランドマーク ギネスビールの複合施設がオープン!
England [London]
2026.05.06
text by Yuka Hasegawa
スタイリッシュなインテリアが印象的な「バー232°」はブリュワリーツアーの最終目的地。“232”とは、オリジナルの黒ビールの主材料となる大麦を、華氏232度(摂氏111℃ )で焙煎することに由来する。ギネスでは全ての大麦を自家焙煎。コーヒーやビターチョコレートのような香ばしい苦味を持つロースト感は、この工程によって生まれる。
2025年末、ロンドン・コベントガーデンに世界に名だたる黒ビールブランド「ギネス」が仕掛ける、都市型のフラッグシップ施設「ギネス・オープン・ゲート・ブリュワリー・ロンドン(Guinness Open Gate Brewery London)」がオープンし注目を集めている。マイクロブリュワリー、テイスティングルーム、複数のレストランやビアガーデン、ブランドの公式グッズを販売するリテールスペースをも併設する、まさに体験型の複合施設だ。
ギネスといえば、クリーミーなヘッド(泡)と艶のある黒褐色のスタウトで、現在世界150カ国以上で飲まれている黒ビール。
「18世紀半ば、当時英国で流行していたポーター(ロースト麦芽を使い、エール酵母で上面発酵したビール)に着想を得て、アイルランド・ダブリンで創業されました。19世紀初頭には、ここコベントガーデンに大規模な瓶詰め拠点を構え、世界へと輸出を広げていったのです」
と説明してくれたのは、施設内で人気のブリュワリーツアーを担当するギネスアンバサダーだ。
現在この場所ではオリジナルのギネスは生産していないが、ラガーやIPA、エール、季節ごとの実験的なビールをスモールバッチで醸造している。出来立てのフレッシュな5種類のクラフトビールを、スペシャリストの解説とともに試飲できるのもこのツアーの醍醐味だ。
約5,000㎡の敷地内には、ビーフ&ギネスパイが楽しめるコートヤードのビアガーデンをはじめ、英国産食材を生かしたモダンブリティッシュをカジュアルに提供する「ポーターズ・テーブル」、オイスターやロブスターを満喫できる最上階のシーフードレストラン「ギルロイズ・ロフト」など、多彩なダイニングオプションが広がる。
同フラッグシップ施設全体のエグゼクティブシェフを務める、英国を代表する新進気鋭の女性シェフ、ピップ・レイシー氏は、「地産地消・季節を重視したサプライチェーンを通じて、サステナビリティとおいしさを両立させた料理を提案しています」と語る。例えば春の新メニューのラム肉は、仔羊を丸ごと仕入れ、部位ごとに料理を展開しているという。
「前菜の『ラムクランペット』は肩肉を使用し、自家製クランペットにマスタード風味のクレームフレッシュを添える。コクがあり、IPAとの相性が抜群で、また、ラムのソースにもIPAを少量使用しています」
アイルランドの国民的ビールブランドは、19世紀に遡るアイコニックな地、ここコベントガーデンで、英国の現代の息吹を見事に融合させて、新たな歴史を紡ぎ始めているようだ。
◎Guinness Open Gate Brewery London
1 Mercer Walk, London WC2H 9FA
ブリュワリーツアー(90分) 30~50ポンド
https://opengatelondon.guinness.com
*1ポンド=215円(2026年4月時点)
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