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RECIPE

【食のプロの台所】最上階に楽園がある

「神楽坂 和茶」店主 塚田玲実

2026.07.31

text by Noriko Horikoshi / photographs by Tsunenori Yamashita

連載:食のプロの台所

台所は暮らしの中心を占める大切な場所。使い手の数だけ、台所のありようがあり、その人の知恵と工夫が詰まっています。「神楽坂 和茶」店主、塚田玲実さんのキッチンの主役は総ステンレスの男前なダイニングテーブル。障子から差し込む柔らかな光の中で、美しさが際立ちます。


塚田玲実
「神楽坂 和茶」店主。気軽に茶に親しんでもらおうと、2019年、神楽坂の裏路地に茶室のあるカフェをオープン。自宅1階に店舗、階上に夫、愛犬と3人で暮らす職住近接スタイル。店では不定期でワークショップも開催する。

(TOP写真)
卓球ができそうなサイズのアイランドテーブルは、天板だけで100Kg(!)超えの重量。新居には「完成前に人海戦術で運びました(笑)」。室内の障子はすべて上げ下げ式で、日差しや通風をコントロールできる。

キッチンに映す諧調の美しさ

カシャ、カシャ、カシャ、と音が聞こえるようだ。茶室のある1階カフェから、階段をたどって2階、3階へ。シャッターモードが1コマずつ切り替わるように、調度が、明るさが変わる。そして、最上階にたどり着いたら、口をついて出るのは歓声。または、ため息しかない。神楽坂の、古い家々が肩を寄せ合う路地の一角に、こんな見晴らしのよいキッチンがあるなんて!

「朝はまず3階に上って、冬でも窓をすべて開け放して深呼吸を。そこから1日が始まります」と塚田さん。

広さ約11畳大。決して大きくはない空間の中で、シンク、コンロ、ワークトップを一体化した総ステンレスのダイニングテーブルが存在感を放つ。「キッチンを新しくするときは、これを核に、と決めていた」というトーヨーキッチンスタイルの最上級モデル。オーダーサイズは1260×2440mm。

シュッとして男前なデザインはもちろん、友人を招いての食事会、和菓子のワークショップなど、大勢の集まりで真価を発揮する動線と機能性のよさに惚れ込んでいる。

メタリックとモノトーン主体の空間に、ふわりと柔らかな陰影を投げかけるのが、壁一面の開口部に設えた障子窓だ。カフェオレ色の床は、亀甲型のタイルが大胆にして洒脱なアクセントに。異なる質感を取り込み、対比させ、一つにまとめる鮮やかさ。茶道家の水屋らしい、諧調の美を感じる。

深さがあり、専用パネルでスペースを立体的に使える3Dシンクを搭載。水栓は浄水専用と洗浄用の2種類。
食器はバックカウンターに収まる分だけ。物を置かず、すっきり暮らすスタイルを貫く。

◎「神楽坂 和茶」
〒162-0831 東京都新宿区横寺町37
☎03-5946-8761
12:00~18:00
水曜定休
Instagram:@kagurazaka_wacha

(雑誌『料理通信』2020年4月号掲載/本文はウェブサイト用に一部調整しています)

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