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RECIPE

華やか系スパイスを利かせた爽やかな初夏の味「甘夏とチキンのカレー」

【アウトドアレシピ】東京・新代田「アンド カリー」

2026.05.07

華やか系スパイスを利かせた爽やかな初夏の味「甘夏とチキンのカレー」

photographs by Tsunenori Yamashita

連載:アウトドアレシピ

アウトドアの新メニューに加えたい、外でも作りやすく、家でもリピートしたくなる味をプロに習います。今回は旬の甘夏の甘味、苦味、酸味と香りを活かした爽やかなチキンカレーを紹介します。

目次






教えてくれた人:東京・新代田「アンド カリー」阿部由希奈さん

阿部由希奈さん

合同会社and CURRY代表。店舗を持たず、あらゆる場所で活動する「流しのカレー屋」。2018年7月、世田谷区羽根木にカレー活動の拠点「kitchen and CURRY」を開設。26年5月、淡路島に2号店をオープン。キッチンだけにとどまらず、料理教室の開催や、催事への出店、ケータリングなど、幅広く活躍している。著者に『スパイスでおいしくなるand CURRYのカレーレッスン』『and CURRYのフライデーカレー』(立東舎)、『野菜が主役 季節のカレー』(世界文化社)。
https://www.andcurry.com/


食材の個性に合わせてスパイスを調合

東京・新代田に拠点としてのキッチンを持ちつつ、全国を巡って、その土地の素材を主役にしたカレーを振る舞う「流し」のスタイルをとっています。

スパイスの配合や工程が身に付けば、自分のカレーが作れるようになります。私の場合、食材からイメージを得てスパイスの配合を決め、カレーに落とし込んでいきます。たとえば、初夏が旬のソラマメは、その個性的な香りに負けない、パンチのあるフェヌグリークを合わせる。今回のように柑橘を使うなら、甘酸っぱく香り高い果皮に合わせてカルダモンやクローブといった華やか系スパイスを。ひじきなど和食材は、紫蘇っぽい風味のあるクミンが合います。

基本の工程としては、ホールスパイスを油で煮て香りを出し、タマネギやショウガなど基本の野菜を炒めてから、配合したパウダースパイスを入れ、主素材とスープで煮て、最後に塩で調味します。

カレーはスパイス、食材の持ち味、塩分、水分(出汁、ココナッツミルクなど)で構成されます。油は憶せず分量通り使うことがポイントです。香りが飛びやすいパウダースパイスは水分を加える前に火を止めてから入れると、段取り下手さんでもうまくいきます。余計な水分はその都度しっかり炒めて飛ばし、塩を最後に入れて味を調えること。おいしく仕上がるコツです。


「甘夏とチキンのカレー」の材料と作り方

[材料](作りやすい分量)
<はじめのスパイス>(写真左から)
赤唐辛子・・・2本
シナモンスティック ・・・1本分
クミンシード・・・小さじ1

はじめのスパイス

<真ん中のスパイス>(写真上段左から)
カイエンペッパー・・・小さじ1/2
クローブパウダー・・・小さじ1/2
コリアンダーパウダー・・・大さじ1
ブラックペッパーパウダー・・・小さじ1/2
カルダモンパウダー・・・小さじ1
ターメリック・・・小さじ1/3

真ん中のスパイス

<その他の材料>
タマネギ(スライス)・・・大1個
ヒマワリ油・・・大さじ3
ニンニク(みじん切り)・・・1片
ショウガ(みじん切り)・・・1片
青唐辛子(小口切り)・・・1本
鶏モモ肉・・・1枚(400g)
トマトピュレ・・・大さじ2
水・・・400ml
甘夏のスパイスマリネ※・・・大さじ2
塩・・・大さじ1

※甘夏のスパイスマリネ

甘夏のスパイスマリネ

煮沸消毒した瓶に、甘夏(4つ割にして皮ごとスライス)、同量のきび砂糖、ホールスパイス(クローブ、ブラックぺッパー、カルダモン、シナモンスティック)を順に重ねて入れて、ハチミツで表面を覆い、蓋をして3~4日以上寝かせる。分量はすべて適量。


[作り方]
[1]タマネギを切る

[1]タマネギを切る

タマネギを縦に半割りしてから横半分に切り、繊維に沿って薄くスライスする。

[2]ホールスパイスを熱する(中火)

[2]ホールスパイスを熱する(中火)

フライパンに油を引き、唐辛子、シナモンスティックを入れてから火をつける。

[3]甘い香りが出てくる(中火)

[3]甘い香りが出てくる(中火)

中火で加熱して、シナモンの周りにしゅわっと小さな泡が出てきたらクミンを加える。

[4]香味野菜を加える(中弱火)

[4]香味野菜を加える(中弱火)

ジュワジュワと音が激しくなったら、中弱火に落とし、ニンニク、ショウガ、青唐辛子を加えて木ベラでかき混ぜながらさらに炒める。

[5]タマネギを加える(中火)

[5]タマネギを加える(中火)

火が入ると全体に散り、香味野菜の香りが立ってくる。タマネギを一気に加える。

[6]タマネギを炒める(中火)

[6]タマネギを炒める(中火)

味のベースとなる炒めタマネギを作る。丁寧に木ベラで混ぜながら、じっくり炒めていく。

[7]水を足して炒め続ける(中火)

[7]水を足して炒め続ける(中火)

鍋底が焦げそうになったら少しずつ(20ml目安)水を足して炒め続ける。鍋底の焦げを木ベラでこそげるように。


[8]7~8分炒めた状態(中火)

[8]7~8分炒めた状態(中火)

加えた水がすべて蒸発したら再び水を足しながら7~8分炒め続ける。どんどんかさが減ってくる。

[9]トマトピュレを加える(中火)

[9]トマトピュレを加える(中火)

写真の具合まで色付いたらトマトピュレを加え炒め、しっかり水分を飛ばす。

[10]パウダースパイスを加える(火を止める)

[10]パウダースパイスを加える(火を止める)

パウダースパイスは焦げやすいので一旦火を止める。真ん中のスパイスを加え混ぜる。カレーベースの完成。

[11]鶏肉を加える(火を止める)

[11]鶏肉を加える(火を止める)

鶏肉を加えて混ぜる。火を止めた状態で全体によく絡める。

[12]鶏肉に火を入れる(中火)

[12]鶏肉に火を入れる(中火)

再び火を付け、肉の色が変わるまで炒める。

[13]水を加えて煮る(中火)

[13]水を加えて煮る(中火)

400mlの水を注ぎ、そのまま5分ほど煮込む。アクはすくう。

[14]甘夏のスパイスマリネを加える(中火)

[14]甘夏のスパイスマリネを加える(中火)

甘夏のスパイスマリネを皮ごとみじん切りにして加え、さらに5分煮る。

[15]塩で調味する(中火)

[15]塩で調味する(中火)

塩(小さじ2くらいが目安)を加え、味を調える。

スパイス&きび砂糖漬けの甘夏がたっぷり入ったチキンカレー

スパイス&きび砂糖漬けの甘夏がたっぷり入ったチキンカレー。カルダモンやクローブなどがふわっと華やかに広がりつつ、柑橘の甘味、苦味、酸味でさっぱり奥深い味わいに。

(雑誌『料理通信』2019年8月号掲載/本文はウェブサイト用に一部調整しています)


東京・新代田「キッチン アンド カリー」の店舗情報


kitchen and CURRY
東京都世田谷区羽根木1-21-24 亀甲新い52
水~金曜11:30~15:00、土曜・日曜・祝日11:30~16:00
木曜18:00~21:00
月曜・火曜休
京王線新代田駅より徒歩5分
Instagram:@andcurry.official

※営業時間・定休日が記載と異なる場合があります。事前に店舗に確認してください。

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