アジア展開が加速するノルウェーのブラウンチーズ。独特の風味から広がるアイデアに注目
Norway [Oslo]
2026.02.02
text by Asaki Abumi
塩キャラメルのような甘くてクリーミーなブラウンチーズ。ノルウェー発の発明品とも言われるチーズスライサーで切り分けるのが日常の風景だ。photograph by TINE
「ブラウンチーズ(ノルウェー語でBrunost:ブルノスト)は単なるチーズではなく、文化遺産であり、ノルウェーのアイデンティティの象徴。朝食のテーブルやワッフルの添え物として欠かせない、ノルウェー人に誇りを抱かせるものです」
そう話すのは、ノルウェー最大級の乳製品会社ティーネ(TINE)社のインターナショナル部門マーケティングディレクターである、ベンテ・ハンメルヴォルド氏だ。
ノルウェー政府の農業・食料省は2025年11月、中国向けにノルウェー産乳製品の輸出を可能にする協定を締結したことを発表した。この締結で注目されたのは、ノルウェーの伝統食品であるブラウンチーズが中国市場に参入するという点だ。ティーネ社は2024年、ノルウェーのブラウンチーズ生産量の約11%にあたる約750トンを輸出した。主な輸出先は北欧諸国の他、米国と韓国だが、アジア市場は特に成長が期待されている。
「TINE® Brunost」シリーズは1863年の誕生以来、ノルウェー人に愛されているブランドのひとつといっても過言ではない。「ノルウェーの牛乳の品質は世界トップクラス。TINE® Brunostは健康なノルウェージャンレッド種の牛乳と、ノルウェーの山岳地帯で放牧された山羊の乳を使用し、伝統と品質を兼ね備えた製品を提供しています」とハンメルヴォルド氏。
別名“キャラメルチーズ”とも呼ばれるブラウンチーズは、ホエイ(乳清)にクリームなどを加えて長時間煮詰めて作るナチュラルチーズの一種で、茶色く、塩キャラメルのような甘じょっぱい味わいが特徴。パン、クラッカー、ワッフルにバターと共に食べるのが伝統的だ。ワッフルにいちごジャムとブルノストを合わせる食べ方も人気。慣れない風味に最初は戸惑うかもしれないが、癖のある味にじわじわとハマる人も多い。
ノルウェー定番の食材ブラウンチーズが近年国際市場で着目を集めているのには理由がある。ハンメルヴォルド氏によれば、その独特の風味が、既存の料理やスイーツに新たな個性を付加するからだという。
「近年ノルウェーではチーズケーキ、レフセ(ノルウェーのパンケーキ)、アイスクリーム、ジビエのソース、クリスマス料理であるルーテフィスク(干しタラをゼリー状にしたもの)の付け合わせなどにブラウンチーズを使用する人も多くいます。韓国ではコーヒーに合わせたり、クロッフル(クロワッサン生地のワッフル)、ピザ、麺類にトッピングしたり。日本ではハンバーガーのフィリングやワインのおつまみとしてブラウンチーズが使用されています」
日本ではまだ馴染みの薄い存在だが、アジアでの流通が増え、これから知名度が高まる可能性のあるブラウンチーズ。日本ではどんな個性的な食べ方と出会うことになるだろうか。
◎TINE Brunost
https://www.tine.no/merkevarer/tine-brunost
関連サイト