ふんわり卵にバジルが香る「海鮮とバジルの卵炒め」
ブルーフード・レシピ:「膳楽房」榛澤知弥さん
2026.06.25
text by Mieko Sueyoshi / photographs by Tsunenori Yamashita
連載:ブルーフード・レシピ
海に囲まれ、豊かな漁場を有する日本には魚食文化が根付いています。魚を食べるなかで培われ、受け継がれてきた知恵や知識を継承し、上手に食べることは、多様性豊かな海の保全につながります。日本周辺でとれる水産物(ブルーフード*)の魅力を再発見するレシピを人気店のシェフに教わります。今回は、ふんわり卵にバジルが香る「海鮮とバジルの卵炒め」です。
*ブルーフードとは、淡水・海洋環境に由来する植物、動物、藻類など水生生物性食品のこと。食料危機や気候変動などの課題に対応し、健康的で持続可能な食料システム構築への貢献が期待されている。
**日本の海面漁業の漁獲量ランキング(漁獲量/前年比)【農林水産省:令和5年漁業・養殖業生産統計】
全体(282万3,400t/-4.3%):1位マイワシ(68万900t/+6.1%)、2位ホタテガイ(33万600t/-2.8%)、3位サバ類(26万1,100t/-18.3%)、4位カツオ(15万2,600t/-20.0%)、5位スケトウダラ(12万2,900t/-23.4%)、6位カタクチイワシ(11万4,000t/-7.3%)、7位マアジ(9万2,000t/-7.0%)、8位ブリ類(8万1,000t/-12.9%)、9位サケ類(6万t/-31.8%)、10位マダラ(5万4,000t/-6.9%)
目次
教えてくれた人:東京・神楽坂「膳楽房(ぜんらくぼう)」榛澤知弥さん
東京・幡ヶ谷「チャイナハウス龍口酒家」で10年修業の後、独立。自家製の調味料や肉加工品を駆使しながらも決して尖らず、日本の食卓の延長線上にある中華を柱に据える。同じ神楽坂に姉妹店「中国菜 智林」がある。
ハーブやスパイスの香りで卵炒めを楽しむ
卵はふんわりやわらかく、エビやイカ、ホタテはしっとりと心地よい歯触り。
「炒め物は主素材を楽しむ料理。なので、炒め合わせるのは主素材+1つか2つ。味付けもシンプルに」と棒澤知弥さん。この料理では主役の卵の甘さを海鮮の旨味が引き立てる。「そこにハーブやスパイスの香りのアクセントが加わると途端に酒呑みの料理になります」。
卵炒めの肝はふんわり食感。炒めるときに卵をかき混ぜすぎないようにし、7~8割方まで火が通ったら引き上げる。海鮮の油通しが難しいようなら、湯通しするか多めの油で軽く炒めておく。
エビだけでも、薄くスライスした白身魚や鶏のささ身でも作れ、またバジルの代わりにクミンパウダー他、スパイスを試してみるのもお勧めだそう。変幻自在な卵炒めは家呑みにもぴったり。その日の気分に合う酒片手に、好きな香りをのせて楽しみたい。
「海鮮とバジルの卵炒め」の材料と作り方
[材料]
エビ(バナメイ)・・・6尾
<エビの下ごしらえ>
片栗粉・・・大さじ1
卵白・・・大さじ1
塩、コショウ、サラダ油・・・各適量
ホタテ貝柱・・・2個
イカ(スルメイカなど)・・・2 ~3切れ
長ネギ(斜め細切り)・・・ひとつまみ
バジル(2㎝幅に切る)・・・5 ~6枚
卵・・・3個
ラード・・・大さじ1
塩、コショウ・・・各少量
大豆白絞油・・・適量
[作り方]
[1]エビを片栗粉で揉む
エビを包丁で半分に削ぎ、背ワタを除く。片栗粉、卵白、塩、コショウして揉み、サラダ油をひと垂らし加えてさらに揉む。
[2]海鮮を同じ大きさに切る
ホタテ貝柱は半分に削いでから十字にカットし、イカは松笠に包丁を入れ、短冊状にカットする。
[3]150℃の油で3秒、レアに油通し
玉杓子1杯分の大豆白絞油を150~160℃に熱し、2を入れ、2~3秒前後で引き上げる。湯通しでもよいが、油の方が柔らかく仕上がる。【POINT】卵と炒め合わせる際にも火が入るので、油通しの際は、表面が白みがかり、内側はまだ透き通った状態に。
[4]卵を割りほぐす
ボウルに卵、ネギ、バジル、塩、コショウを加え、菜箸で割りほぐす。白身のコシが少し切れる程度まで。
[5]ラードを溶かす
油通しした鍋の油を捨て、ラードを入れて火にかける。鍋肌の溶けたラードが、さらさらと波打つくらいまで熱する。
[6]卵液を投入
ほぐしておいた4を、しっかり温まった鍋に一気に注ぎ入れる。じゅわっと縁が泡立って色が変わり、持ち上がるのが理想。
[7]海鮮を加える
油通ししておいた海鮮類を一気に加え、火が入った外側を内側へ入れ込むようにかき混ぜる。
[8]あおって空気を入れる
鍋を大きく揺すって煽るように炒め、玉杓子で卵をかき混ぜすぎないようにする。7~8 割方火が入ったところですぐに皿に盛る。
[9]余熱で火を入れる
余熱で丁度いい加減に火が入る。完全に火を通しすぎず、半熟くらいの火入れが食べ頃。
(雑誌『料理通信』2016年6月号掲載/本文はウェブサイト用に一部調整しています)
東京・神楽坂「膳楽房」の店舗情報
◎膳楽房
東京都新宿区神楽坂1-11-8
☎03-3235-1260
11:30 ~ 14:00LO 17:00 ~ 23:00(料理21:30LO ドリンク22:30 LO)
月曜休(月2日不定休あり)30席 カード可
JR、東京メトロ飯田橋駅より徒歩2分
Instagram: @zenrakubou
※営業時間・定休日が記載と異なる場合があります。事前に店舗に確認してください。
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