1年で100万個の食品をレスキュー。売れ残りを“福袋”で買えるアプリが好評
Australia [Sydney]
2025.10.20

text by Akiko Ganivet
フランチャイズスーパーのベーカリー「ハリス・ファーム」で販売された売れ残り食品の福袋の中身。価格は7豪州ドルだったが、30豪州ドル以上の商品が入っていた。他に野菜やチーズの福袋もある。photograph by Akiko Ganivet
物価高と家賃高騰で苦しむオージーの間で今、売れ残り商品をお知らせするアプリ「Too Good To Go」が話題になっている。デンマークでスタートしたサービスで、ヨーロッパではここ数年食品ロス問題の解決に貢献しており、オーストラリアでも都市付近を中心に火がついた。
“Too Good To Go”とは、「捨てるには状態が良すぎる」という意味。 アプリには最寄りのベーカリーが表示され、クリックすると、当日または翌日の閉店間際にいくつサプライズバッグ(福袋)を用意する予定か、事前に告知される。例えば7豪州ドルのサプライズバックを購入すると、約30豪州ドル相当の売れ残りパン を店頭で受け取ることができる。ベーカリーだけでなく、すし店やスーパーなども続々と参加しており、リーチは確実に広がっている。


フードロスを楽しみに変えるこの取り組みは、SDGsに興味を寄せる若い世代を中心に注目を集め、アプリはここ1年で「100万個の食品をレスキュー」し、「270万kgのCO2排出を防いだ」と発表。ソーシャルメディアでサプライズバッグの写真をとってシェアする人も増えており、完売店が続出している。
一方で「事前に告知されると予約で売り切れて買えない」といった苦情も増え、店によっては閉店近くに売れ残りが出たら通知する方法に変更している。個人的には、アプリにアクセスした時に、価値のあるバッグを見つける方がサプライズもあって楽しめる。どの店のバッグも今のところお得感たっぷりで、物価の高いシドニー中心部に住む筆者には有難いアプリだ。


◎Too Good To Go
https://www.toogoodtogo.com/en-au
*1豪州ドル=100円(2025年10月時点)