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RECIPE

果物の甘さの後、ハーブやお茶が豊かに香る「漬け込み酒」

【DIYレシピ】「旧雨」前田克紀さん

2025.09.01

果物の甘さの後、ハーブやお茶が豊かに香る「漬け込み酒」

photographs by Hide Urabe

連載:DIYレシピ

塩蔵、乾燥、発酵・・・調理メソッド&テクニックを身に着けて、普段買っている食べ物を一から作ってみると、自分で味を作る喜びや安心感を得られます。シンプルな材料と道具で作れる自家製アイテムをシェフに教わります。今回は、季節の果物でつくる「漬け込み酒」。お茶やハーブとの組み合わせが新鮮です。

目次






教えてくれた人:東京・西早稲田「旧雨」前田克紀さん

「旧雨」前田克紀さん

大学で中国文化を学んだ後、調理師専門学校を卒業。東京・根津の中国料理店「古月」山中一男氏の下で研鑽を積み、高級営養薬膳師の資格を取得。2012年に支店だった店を引き継ぎ、「古月 新宿」オーナーシェフに。おいしく食べて心身ともに健やかになる料理を提供。2023年9月をもって閉店し、西早稲田で「旧雨」をオープン。


果物に合わせて漬け込み期間を変える

私の店の漬け込み酒は、果物の甘さに香りやコクを出すため、ハーブなどを足しています。ナッツやお茶類、スパイスが加わっても、通常の果実酒作りと同じ。神経質になる必要はありません。アルコールが薄まらないよう、果物以外はドライなものを選び、果物の水分が多いものは短め、少ないものは長めに漬け込んでください。

ハーブは苦くなるので入れすぎないで。果物は1カ月後の漬け上がる頃、飲みたくなるのを考えながらセレクトするといいですね。体に水分を留めるキウイは汗をかく夏におすすめ。

リンゴやサクランボなど甘味の強いものにはスパイシーなハーブや香辛料を、キウイやライチなど甘味が穏やかなものには優しい花の香りのハーブなどを合わせるのがコツです。いろいろ組み合わせに挑戦してみてください。


「キウイとジャスミン茶のお酒」材料と作り方

[材料](2L瓶分)

「キウイとジャスミン茶のお酒」材料

キウイ・・・500g
ジャスミン茶・・・5g
氷砂糖・・・250g
甲類焼酎(35 度)・・・900ml

<道具のポイント>

道具の準備

瓶は洗い、沸騰させた湯をあふれるまで満たし、蓋にもかけて消毒。その後自然乾燥させる。

[作り方]
[1]キウイを切る

キウイを切る

キウイを洗って、皮を剥き、約1㎝幅にスライスする。 【POINT】果物は酸味と香りが強い完熟手前を。

[2]材料を瓶に入れる

材料を瓶に入れる

熱湯消毒した瓶に、キウイ、氷砂糖、ジャスミン茶、焼酎の順に入れる。

[3]寝かせる

寝かせる

冷暗所で2~3週間寝かせる。


「サクランボとクルミ、フェンネルのお酒」材料と作り方

[材料](2L瓶分)

「サクランボとクルミ、フェンネルのお酒」材料

サクランボ・・・500g
クルミ・・・75g
フェンネル(ドライ)・・・5g
氷砂糖・・・200g
黒砂糖・・・50g
甲類焼酎(35 度)・・・900ml

[作り方]
[1]材料の下準備をする

材料の下準備をする

クルミは弱火で乾煎りし、粗熱をとる。サクランボは洗って水気を吹く。【POINT】水は傷みの原因になるので丁寧に拭きとる。

[2]材料を瓶に入れる

材料を瓶に入れる

熱湯消毒した瓶に、サクランボ、クルミ、氷砂糖、黒砂糖、フェンネル、焼酎の順に入
れる。

[3]寝かせる

寝かせる

冷暗所で1カ月ほど寝かせる。

漉してから冷暗所で保存

出来上がったら、味が濁るので、漉してから冷暗所で保存する。

ロックやソーダ割りで

(右)サクランボとクルミ、フェンネルのお酒をロックで。サクランボの甘味とスパイシーなフェンネルが重なり、華やかな味わい。
(左)キウイとジャスミン茶の酒のソーダ割り。甘い花の香りのジャスミンと甘酸っぱいキウイが好相性。


東京・西早稲田「旧雨」の店舗情報


旧雨
東京都新宿区西早稲田2-3-21 ケイビル1F
☎なし
17:00~19:00LI
日曜、月曜休
Instagram:@kyuuu_waseda

※営業時間・定休日が記載と異なる場合があります。事前に店舗に確認してください。

(雑誌『料理通信』2015年7月号掲載/本文はウェブサイト用に一部調整しています)

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