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JOURNAL / 世界の食トレンド

スペインのおふくろの味。2026年の最優秀生ハムコロッケ賞決定!

Spain [Madrid]

2026.03.18

スペインのおふくろの味。2026年の最優秀生ハムコロッケ賞決定!

text by Yuki Kobayashi
スペインの生ハムコロッケは小さな俵型もしくは丸が一般的。中はベシャメルソースなので日本のコロッケのような平らなものは存在しない。

スペイン国内に数々の料理賞あれど、マドリード・フュージョン会期内に行われる最優秀生ハムコロッケを決めるコンクールは、毎年白熱の戦いになる。スペイン人が認める「良い店」は、この生ハムコロッケとトルティーリャパタタ(ジャガイモ入りオムレツ)で力量を図るのが通常だが、ベシャメルソースがベースの生ハムコロッケは、スペイン人にとっておふくろやおばあちゃんの味。例えるなら日本の肉じゃがや鶏の唐揚だろうか。誰もが一家言ある家庭の味であり、参加者も会場の観客も真剣度は本物。最も盛り上がるイベントのひとつだ。

審査員たち
審査員たちも、「最高のコロッケとは?」と司会者に聞かれると「うちのおばあちゃんの」と躊躇なく答える。誰もが愛着の深い一品だ。

理想のコロッケは、外側はからりとオリーブ油で揚がっていて、かつ中身はとろり。生ハムは多すぎず、大きすぎず、硬すぎず、ハムの香りをしっかり残さねばならない。コンクールでは、生ハムコロッケに求められる基本を踏襲するのはもちろんのこと、オリジナリティを主張しなくてはならないから、そのバランスとセンスが問われるところだ。

2026年の優勝者はマドリードのレストラン「サリーノ(SALINO)」のシェフ、弱冠26歳のアレハンドロ・カノ(Alejandro Cano)氏。ベシャメルの準備は前日から始まる。生乳は74℃で1時間、生ハムの骨と一緒に温め、翌日浮いた脂肪分を取り除いてから使う。ベシャメルを作る際には、小麦粉を加えてから40分ほど混ぜ続けるという。パン粉は日本風の目の粗い「PANKO」を使用。揚げた後に数分オーブンに入れて、カリカリ度を高めている。

コンクールには賞金がなく賞品は生ハム1本のみというシンプルさだが、この賞を獲得すると、来年まで集客努力が全くいらなくなるというのが最大の報酬だ。

ベシャメル入りコロッケ
2日がかりで作るベシャメル入り。粗めのパン粉で衣はサクサク。
アレハンドロ氏
ベシャメルの秘訣は「腕が壊れそうになるまで混ぜる」と涼しい顔で答えていたアレハンドロ氏。

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