カリフォルニアプルーンの可能性
体と地球を癒す “ウェルネス・ガストロノミー”という試み
2026.06.25
【PROMOTION】
Noriko Horikoshi / photographs by Hide Urabe
気候変動、生物多様性の喪失、地球規模の課題に、植物中心の食で向き合う時代。
現代ガストロノミーの料理人が追うのは、「食後感の軽さ」と、体と心、五感、知識欲まで満たす食体験です。植物本来がもつ甘味、脂質、数値では表せない様々な香りや複雑な味わいを生かす料理の技術は、精進料理に通じる和食の知恵とも重なります。
カリフォルニアプルーンは、低GIの甘味源として、砂糖の代替、バターの置き換えなど、現代のウェルネス志向にかなう素材。精進料理の技法を礎とし、野菜料理で評価を高める東京・銀座「六雁」秋山能久さんに、プルーンを活用する実践的な ノウハウを教わります。
目次
「調和」よりも「驚き」の世界観を
禅の歴史とともに育まれ、食事を“調える”“いただく”行為を通して禅の教えを実践する道として伝え継がれてきた精進料理。不殺生の戒めに基づく菜食の定義ばかりに目がいきがちだが、その本質は、食材の命に敬意を払い、存在と真摯に向き合い、三徳六味*の心得と惜しみない手間暇をもって一皿に編み上げていく“祈り”にも近い精神性にある。
三徳六味(注*)
道元禅師が『典座教訓』の中で説いた禅の食事づくりの心得と味付けの基本。三徳は「軽軟」(軽くて柔らかい)、「浄潔」(清潔さ)、「如法」(仏の教えにかなった正しい作法)。六味は「苦」「酸」「甘」「辛」「鹹」(塩辛い)、「淡」(素材の味)の六つの味覚を調和させること。
銀座で創業22年の歴史をもつ日本料理店「六雁」もまた、そんな精進料理の系譜を継ぐ一店。料理長の秋山能久さんが陣頭指揮を執るダイニングは、開放的なオープンキッチンでありながら名刹の庫裏のように凛とした空気が満ち、シグネチャーの「胡麻豆腐」のために、皮をむいた胡麻と水をあたり鉢で2時間かけて摺り続ける手仕事から日々の炊事が始まる。
一方で、精進の狭義にとどまることなく、より自由な素材使いと調理法を組み合わせ、意趣に富んで美しい創作料理に仕立て直す手法も“秋山流”の本分である。その好例ともいえるのが、旬の果物やドライフルーツを具材の一つに生かす発想だ。
「たとえば、生のデラウェアに加減酢を足しておろし和えに仕立てた箸休めや、ドライフルーツでは、6~7種の野菜のおひたしに刻んだドライプルーンを加えたり。ブルーベリー味噌なんていうのも試したことがありますね」
今回は、そんなフルーツ使いを心得た秋山シェフに、カリフォルニアプルーンの種抜きホールタイプとピューレの2種を使った料理を教わる。
「野菜との組み合わせでは、カリフォルニアプルーン特有の凝縮感が味の深みになり、咀嚼したときの口内調味にもメリハリが生まれます。肉との組み合わせでは穏やかな甘味と酸味が心地よいアクセントになり、かつ植物性由来の主張しすぎない軽やかさもある。和の料理とは案外なじみやすい素材なのかなという印象です」
3品の料理を考案するにあたり、特に意識したのは「調和よりも驚き」の世界観だったという。奇をてらうという意味合いではなく、「あらゆる調理法や食材との足し算引き算を繰り返しながら、はっと驚くような化学反応を探り当てていくということ」。それは、日本料理における“出会いもの”に通じる視座であり、精進のもうひとつの醍醐味でもある“もどき”料理の遊び心も連想させて興味深い。
精進とプルーンの饗応
カリフォルニアの乾燥した気候と豊かな日照のもとで育つプルーンは、収穫後すぐに乾燥工程へと移されることで、果実本来の甘味と香りを損なうことなく凝縮。水分量が適切にコントロールされているため、しっとりとした食感とともに、加熱しても風味が崩れにくいという特性をもつ。
そんなカリフォルニアプルーンの香りに着目し、その可能性を最大限に引き出すべく創作されたのが、一品目の「プルーン酢飯」だ。米と一緒に炊き込んだプルーンは引き上げ、甘酸っぱい移り香と、ほんのり桜色に染まった酢飯の色合いを楽しむ。
炊き込みご飯ではなく酢飯に仕立てた理由は、「プルーンと米酢の酸が大変によく合うことがわかったので」と秋山シェフ。旨味成分のグルタミン酸に富むプルーンの自然な甘味とコクが、あたかもだしのエキスのように引き出された酢飯の繊細にして力強い味わいは、まさに“驚き”の一言。
二品目の「あん肝とプルーン」の組み合わせには、フォワグラとフルーツソースの相性に通じる王道感が。ただし、あん肝はよくある酒蒸しではなく、醤油ベースの煮汁でこっくりと炊き上げたものであるところがミソ。「甘辛い醤油味とプルーンの甘味は似たもの同士の相性」というのが秋山シェフの見立てだが、そこにカリフォルニアプルーンの強すぎない酸味が加わることで、ほどよいメリハリが生まれ、“甘露”と呼ぶにふさわしいバランスが完成している。
「あん肝はいわば脂の塊で、単体で食べるとオイリーな重めの食後感が残りがち。そこを爽やかに、ただし素材の風味や個性を損ねない塩梅でリセットしくれるのが、プルーンの効用。食物性の食材ならではの包容力ですね」
一見、茄子の味噌田楽そのものに見える三品目は、カリフォルニアプルーンの香り、酸味、しっとりとした食感を練り合わせた赤味噌だれに秘策あり。京都の甘口の赤味噌に酒、みりん、卵黄を加えてぽってりと練り上げた玉味噌と、カリフォルニアプルーンのピューレを加え、滑らかに仕上げる。
「赤玉味噌は精進の田楽以外に肉や魚にも合わせられる万能味噌ですが、プルーンの味と香りが入ることで、パンに塗ったり、ソースで使ったり、応用範囲がぐっと広がります。すでにお話ししたとおり、酸との相性がよいので、なますに合わせても抜群ですよ」
プルーンに含まれるソルビトールや食物繊維は、自然な保水性とコクをもたらし、砂糖や油脂の代替として機能する。秋山シェフはほかにも、餡と合わせた涼感溢れる水羊羹も披露してくれた。栄養価を高めることに加えて、「軽やかさ」と「コク」を成立させながら、血糖値の急上昇を抑え、満足感のある甘味を実現できる。現代のウェルネス志向の料理において理にかなった素材といえる。
料理を絞り込むまで、「焼いたり、粉をつけてカリッと揚げたり、胡麻で和えたりと、10種近い試作を重ねた」と話す秋山シェフ。結果、強い火は入れずに、ゆっくり、じわじわと熱を入れながら、あるいは加熱のいらない調理でプルーンのピュアな持ち味を引き出す手法がベストと見定めた。
そんな洞察と直感が冴えわたる精進とカリフォルニアプルーンの饗応を、ぜひ再現していただきたい。
「プルーン酢飯」の材料と作り方
【材料】(作りやすい分量)
米・・・2合
カリフォルニアプルーン(炊き込み用)・・・12個
しば漬け・・・50g
人参葉・・・120g
合わせ酢※・・・90ml
カリフォルニアプルーン(混ぜ込み用)・・・5個
※合わせ酢(作りやすい分量)
米酢・・・450ml
砂糖(上白糖)・・・200g
粗塩・・・75g
昆布・・・5g
▶密閉容器に材料をすべて入れて混ぜ、冷蔵庫で1週間置く。
【作り方】
【1】プルーンを加えて米を炊く
米を研ぎ、同量の水に浸水して30分置いた後、プルーン(炊き込み用)を加えて炊く。
【2】炊きあがり
香りづけのプルーンは取り除き、半切りに移す。
【3】具を刻む
しば漬けを粗みじんに、プルーン(混ぜ込み用)は5mm角に刻む。人参葉は塩少々(分量外)を加えた湯でさっと湯がき、水気を絞って細かく刻む。
【4】酢飯にする
2を冷ましながら、合わせ酢、プルーン、しば漬けを加えて混ぜる。食べる直前に人参葉を加えてさっくり混ぜ、器に盛る。
「あん肝とプルーンのブルスケッタ」の材料と作り方
【材料】(作りやすい分量)
あん肝・・・300g
塩・・・少量
酒・・・適量
昆布・・・10g
生姜(皮付き・薄切り)・・・40g
酒・・・600g
A
みりん・・・80g
たまり醤油・・・60g
濃口醤油・・・20g
薄口醤油・・・5g
カリフォルニアプルーン4~5粒
バゲット(スライス)・・・適量
【作り方】
【1】あん肝の下処理をする
あん肝は表面の薄皮を取り除く。
【2】塩をして、酒で表面を洗う
全体に塩を振って20分ほど置き、酒で表面を洗う。
【3】日本酒で煮切る
アクが出なくなったら火を止めてAを加え、あん肝にキッチンシートをかぶせ、強火で12~13分ほど煮て味を含ませる。
【5】あん肝をスライスする
食べやすい大きさに切る。
【6】組み立てる
軽く炙ったバゲットにのせて、刻んだプルーンをのせる。
「プルーンピューレ入り茄子田楽味噌」の材料と作り方
【材料】(3~4人分)
赤玉味噌※・・・50g
カリフォルニアプルーンピューレ・・・100g
丸なす・・・1個
揚げ油・・・適量
蕎麦茶・・・適量
※赤玉味噌(作りやすい分量)
赤味噌・・・200g
みりん(上白糖)・・・70g
煮切り酒・・・150ml
煮切りみりん・・・50ml
卵黄・・・4個
【作り方】
【1】赤味噌、砂糖、酒、みりんを練り混ぜる
再び弱めの中火にかけ、卵黄が固まらないように素早く混ぜながら、ぽってりとして艶が出てくるまで練り混ぜる。
【3】裏漉しする
粗熱を取り、裏漉しする。
【4】プルーンピューレと合わせる
玉味噌1:プルーンピューレ2の割合で混ぜ合わせる。
【5】ナスを8等分に切る
茄子はヘタを取って皮をむき、縦8等分に切って芯の部分のみ面取りをし、長さを2等分に切る。
【6】油で揚げる
鍋に油を熱し(175℃)、茄子を入れて軽く色づくまで揚げ、油を切る。
【7】器に盛る
器に盛り、分量の赤玉味噌とプルーンピューレを練り合わせたタレをとろりとかける。天に蕎麦茶を振る。
◎六雁
東京都中央区銀座5-5−19 銀座ポニーグループビル
☎03-5568-6266
17:00~23:00 (20:00LO)
日曜、祝日休
http://www.mutsukari.com/menu_osusume.html
【セミナー開催のお知らせ】
記事でご紹介したカリフォルニアプルーン3品を含めた5品を披露する料理人向けのセミナーを開催します。詳細は以下にて。ぜひお申込みください。
◎カリフォルニアプルーンセミナー
【日時】2026年7月15日(水)13:00~15:00(12:45開場)
【場所】「六雁 | 銀座」(東京・銀座)東京都中央区銀座5-5-19銀座ポニーグループビル6F
最寄り駅:東京メトロ銀座駅 B5出口
【参加費】無料
【定員】9名
【対象】料理人(ジャンル不問)
【内容】
・カリフォルニアプルーン協会による素材紹介
・秋山シェフによる、カリフォルニアプルーンを使用した料理デモンストレーションおよびご試食(5品)、意見交換
・イベント後のアンケートにて、ご感想・ご意見をお聞かせください
・カリフォルニアプルーンのサンプルを含むギフトをご提供します
※内容は予告なく変更となる場合があります。
主催:カリフォルニアプルーン協会
運営:料理通信
【参加方法】
下記の申込フォームよりお申し込みください。応募締切は2026年6月30日(火)18時まで。※応募者多数の場合は抽選となります。
2026年7月6日(月)午前中までに抽選結果発表(ご応募いただいた方全員にお知らせメールを送ります)
カリフォルニアプルーン協会 https://www.prune.jp/
◎申込みはこちら
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