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RECIPE

短時間の煮込みでも滋味深い「野菜、鶏肉、豚肉のボッリートミスト風」

スローレシピ

2025.12.22

短時間の煮込みでも滋味深い「野菜、鶏肉、豚肉のボッリートミスト風」

text by Tomoko Nagao / photographs by Masahiro Goda

連載:スローレシピ

材料をイチから用意し、時間をかけて、料理すること自体をゆっくりと楽しむ。それが“スローなレシピ”。時短とは真逆の価値観の先に、とびきりの味が待っています。今回は手近な材料を組み合わせて作るイタリア版おでん「ボッリートミスト風」。複数の肉を組み合わせることで、短時間でも滋味深く仕上がります。

目次






教えてくれた人:料理研究家 長尾智子さん

長尾智子さん

料理家、フードコーディネーター。単行本の出版や雑誌の連載などの執筆、商品開発、メニュー提案などと並行してオリジナルの器「SOUPs」を主宰。また、2019年に友人と東京・神宮前に「Bar Werk」をオープン。料理とお酒についてさまざまに実験中。
http://www.vegemania.com/


隙間なく鍋に詰めて煮崩れを防ぐ

日本人は、一応和食が基本と考えるとして、次に来るものは何かと思い浮かべると、まずイタリア料理が浮かぶ。気候風土の共通点から考えても、素材の良い土地は料理も単純だから、生かす方法も単純明快な類似点があるのだろう。

そんなイタリア料理にアレンジを加えて作ったのが、この「ボッリートミスト風」。ほとんど時間差なく、肉と野菜を一緒に煮込み始めるので、手間は最初の野菜の下準備ぐらい。鶏肉と豚肉にレバーも加えて、手近な材料を組み合わせて「ミスト(ごった煮)」にする。

レバーを加えたのは、スープにコクが生まれて、茹でたレバーが意外なほどおいしくなったから。複数の肉を一緒に煮込むと、わずか1時間でも滋味深いスープが完成する。素材が動いて煮崩れしないよう、ぴったりの鍋で煮るのがおすすめだ。最初は蓋が少し浮くくらい詰めて込んでも、煮込むうちに閉じていく。

「野菜、鶏肉、豚肉のボッリートミスト風」の材料と作り方

[材料](4~5人分)
豚肩ロース肉・・・500g
鶏骨付きモモ肉・・・大1本
鶏レバー・・・約200g
サラミ・・・細めのもの1本
ニンジン・・・2本
タマネギ・・・小2個
カブ・・・4~5個
カブの葉・・・適量
ジャガイモ(メークイン)・・・4個
キャベツ・・・1/2株
ニンニク・・・1片
ローリエ・・・2枚
塩・・・少量
オリーブ油・・・大さじ2
マスタード・・・大さじ2
ハチミツ・・・小さじ1
レモン汁・・・少量


[作り方]
[1]下準備

「野菜、鶏肉、豚肉のボッリートミスト風」の材料

豚肉は4~5等分、モモ肉は関節で2等分後、骨の両脇を切り離す。サラミは5~6等分に、レバーは流水で洗う。ニンジンは2~3等分、タマネギは4等分、カブとジャガイモは皮を剥き、キャベツは放射状に4~5等分する。

[2]湯に香りを移す

[2]湯に香りを移す

大きめの鍋に、約2.5Lの湯を沸かし、沸いたらニンニク(皮ごと)とローリエを入れて香りを移す。

[3]肉類を入れる

[3]肉類を入れる

豚肉、鶏肉、サラミ、最後にレバーを入れる。

[4]野菜を入れて煮る

[4]野菜を入れて煮る

上に野菜を隙間なくのせていく。塩を振り、オリーブ油を回しかけて一旦煮立ててから蓋をする。30分ほど、吹きこぼれないように調節しながら煮る。

[5]水分調整してさらに煮る

[5]水分調整してさらに煮る

鍋の様子を見て、水分が減っていれば足し、蓋をして柔らかくなるまでさらに20~30分煮込む。

[6]仕上げ

野菜、鶏肉、豚肉のボッリートミスト風

具を取り出し盛りつけて、ハチミツを加えたマスタードを添える。

[6]仕上げ
煮汁は、味を見て適宜水を足し、カブの葉を細かく刻んで軽く煮てスープに。軽くレモンを搾る。

(雑誌『料理通信』2019年1月号掲載/本文はウェブサイト用に一部調整しています)

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