『uguisu/organ 紺野 真が作る 野菜のひと皿料理』発売!
2025.05.02

人気のビストロ、「uguisu ウグイス」(三軒茶屋)、「organ オルガン」(西荻窪)のオーナーシェフにして、麻布台ヒルズ「Orby オルビー」のヘッドシェフを務める紺野真さんの新刊『uguisu/organ 紺野 真が作る 野菜のひと皿料理』(グラフィック社)が、4月25日、発売された。春夏秋冬、4つのブロックを軸に構成する全99品、季節を映す野菜料理のレシピブックだ。
振り返ってみれば、紺野さんの野菜探究は10年以上前から始まっていた。
月刊誌『料理通信』には「シェフに弟子入り」と題する人気シリーズ――フレンチシェフが中国料理のシェフに弟子入りしたり、イタリアンのシェフがフランス菓子の巨匠に弟子入りしたり、ジャンルや世代を超えて、「あのシェフに直接教えを乞うてみたい」という憧れの相手に1日入門するという企画――があったのだが、その第1回目(2014年3月号)で、紺野さんは野菜好きで知られるフレンチの重鎮「ラ・ブランシュ」の田代和久シェフに弟子入り。野菜の火入れを教わったのだった。ちなみにその1年半ほど前から畑を借りて野菜作りに励むなど、紺野さんの野菜探究は当時からかなり熱を帯びていた。
本書は、そんな長年にわたる野菜への思いが詰め込まれた一冊と言える。
本を開くと、どのページにも野菜の生命力が漲り、生命力ゆえに生まれるシズルに思わず引き込まれる。丸々と膨らんで今にもはちきれそうなグリンピース、噛んだらスーッと入っていくであろう歯の感触まで感じるような若いタケノコ、チリチリショリショリに表面が焦げた芽キャベツ。紺野さんが野菜のどこを見ているのかが感じられるような料理ばかりだ。

東京の食シーンを牽引する紺野さんだが、本書の料理が放つ質実で自由でエネルギッシュな表情は、いつも誠実で努力を怠らず、周囲へのリスペクトを忘れない紺野さんの生き方と重なり合う。
あとがきに「この本の制作に取り掛かったのは確か4年前だったかと思います。まだコロナが始まっていなかったときです」とある。この4~5年の間の出来事に思いを馳せながらページをめくるとまた感慨深い。
見ているだけで、さぁ、野菜の力をもらって、しっかり生きていこう、そんな気持ちになる。
書名:uguisu/organ 紺野 真が作る 野菜のひと皿料理
著者:紺野 真
発売日:2025年4月
仕様:B5 並製 総200頁
定価:2,640円(10%税込)
ISBN:978-4-7661-3644-9
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