日本ワインブドウ栽培協会(JVA)が「原木園」設立のためのクラウドファンディングを実施中!
2025.05.02

一般社団法人 日本ワインブドウ栽培協会(JVA)は、日本ワインのさらなる品質向上と持続可能なワインブドウ栽培を実現するため、クラウドファンディングをスタートさせた。
このプロジェクトでは、ウイルスチェック済みの健全な苗木の安定供給を目指し、日本の気候に適した品種‧クローンを見つけるために、世界各国の多様なブドウ品種やクローンを輸入して、それらを管理できる「原木園(母樹のライブラリーのようなブドウ園)」の設立を目指している。
近年、日本ワインは品質が向上し、世界でも評価されるようになった。しかし、その裏で昨今の気候変動によるブドウの病害リスクの増加への適応の遅れが進行し、今後の品質低下が懸念されているという。
主な原因は2つ。
1.ウイルスが蔓延し、ブドウの品質が低下している
日本のブドウ畑の約50%の樹がウイルスに感染している (ヨーロッパの感染率は約20%と日本の2分の1以下) というデータもあり、放置すれば日本ワインの品質低下は避けられない。世界の主要ワイン産地では、ウイルスチェック済みの健全な苗木を使用することが一般的だが、日本ではその供給体制が整っていないため、病害のリスクを抱えたまま栽培が続けられているという現状がある。
2.日本の多様な気候に合った品種がまだ見つかっていない
日本は南北に長く、寒冷地から温暖地まで多様な気候を持つ。しかし、各地域に最適なブドウ品種の選定が進んでおらず、適地適作が確立されていない。 さらに、近年の気候変動により、これまで安定して栽培されてきた品種でも生育が難しくなるケースが増えている。
また、日本国内で流通しているワイン用ブドウの品種数は、諸外国と比べて著しく少ない。たとえば、日本で利用可能な品種は約63種にとどまるのに対し、フランスでは422種、アメリカで は550種の品種が登録‧活用されている。この差は極めて大きく、日本の造り手がそれぞれの土地に合った理想的な品種を見つける上で障壁となっている。
JVAは、これらの問題を解決し、日本ワイン産業が持続的に発展していくために、長野県東御市に「原木園 (母樹園)」を設立して、ウイルスチェック済みの健全な母樹を育て、多様な品種のブドウを供給できる体制を整えるべく、クラウドフィンディングを実施中だ。
詳しくは、下記プロジェクト支援サイトををご覧ください。
◎一般社団法人 日本ワインブドウ栽培協会(JVA)
担当:掛川
Email: info@jvine.or.jp
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