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RECIPE

夏酒のアテに。コク深くまろやか「アボカドの味噌漬け」

パワーオフ・レシピ

2025.08.21

夏酒のアテに。コク深くまろやか「アボカドの味噌漬け」

photographs by Hide Urabe

連載:パワーオフ・レシピ

家庭での電気使用量が急増する夏。電気やガスを使わなくてもおいしく作ることができる「パワーオフ・レシピ」をシェフに教わります。今回は、日本酒のアテにぴったりな「アボカドの味噌漬け」。発酵食品の力でアボカドが珍味に生まれ変わります。

目次






教えてくれた人:東京・吉祥寺「にほん酒や」高谷謙一さん

高谷謙一さん

青森県出身。システムエンジニアを経て飲食業界へ転向。約10年の飲食店勤務の後、2009年、吉祥寺に現店をオープン。日本各地の蔵元が丹精込めて造る日本酒を多数扱い、和と郷土料理をベースにしたオリジナルのつまみにも定評がある。牡蠣の塩辛や生カラスミなどの酒のアテはもちろん、すし酢やウスターソースなど一部調味料も手作りする。


役者さえ揃えば、あとは一晩待つのみ。

材料は3つ。工程もシンプル。「簡単でうれしい」反面、材料が少ないからこそ、一つひとつの食材が吟味されていないと、似て非なるものが完成することもまた真実だ。

まずはアボカドの選び方。「熟れて柔らかすぎるものは味噌が取りにくくなるのでNG。でもカチカチに硬いアボカドでもおいしくならない」。ここは皮がするりと剥けるちょうど食べ頃のアボカドを用意したい。

次は味噌。だし入りなどはもってのほか。「麹が生きた」生タイプの味噌がベストだ。「なるべく余計なものが入っていない味噌で」と高谷さん。味噌の塩気を和らげるために加える酒粕は、絞りたてのものではなく、1年熟成させた茶色の酒粕を使う。これが一番見つけにくいかもしれない。「その時はみりんでも」。もちろん使うのは本みりんだ。

役者さえ揃えば、もう失敗につながるものはない。発酵調味料の力で、アボカドが生まれ変わるのを待つのみだ。

「アボカドの味噌漬け」の材料と作り方

[材料](2皿分)
アボカド・・・1個
味噌・・・適量
練り酒粕*・・・適量
*常温で1年熟成させたものを使用


[作り方]
[1]アボカドの皮を剥く

アボカドの皮を剥く

アボカドは縦にナイフをぐるりと入れて、2分割し、種をとって、皮を剥く。【POINT】熟れすぎは味噌が取れにくくなるので不向き。

[2]味噌床を作る

味噌床を作る

味噌と酒粕を合わせる。目安は同割。酒粕は味噌の塩分をやわらげるのが目的なので、加減はお好みで。【POINT】酒粕の代わりに本みりんでも。

[3]ラップに味噌を塗る

ラップに味噌を塗る

まな板にラップを広げ、薄く酒粕入りの味噌を塗る。アボカドをのせる。

[4]1~2晩寝かせる

1~2晩寝かせる

ラップを持ち、アボカドの表面と内側を味噌で覆うように包む。1~2晩冷蔵庫で寝かせる。

[5]味噌を指ではらう

味噌を指ではらう

ラップをはがし、表面の味噌を指ではらう。写真は2晩経った後のもの。

[6]切る

切る

水で洗わず、そのまま2等分にカットして器に盛る。

アボカドの味噌漬け

アボカドを酒粕入りの味噌で包み、1~2晩置くだけ。熟成させた酒粕を使うことで、コクと香りは一段とアップする。滑らかな舌触りも夏酒を呼ぶ。

(雑誌『料理通信』2018年1月号掲載/本文はウェブサイト用に一部調整しています)


東京・吉祥寺「にほん酒や」の店舗情報


にほん酒や
東京都武蔵野市吉祥寺本町2-7-13 1F
☎0422-20-1722
17:00~22:00(土、日曜、祝日13:00~21:00)
木曜休
JR、京王線吉祥寺駅より徒歩8分
Instagram:@nihonsyuya_tokyo

※営業時間・定休日が記載と異なる場合があります。事前に店舗に確認してください。

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